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2015年11月

日本スクール・コンプライアンス学会 定例研究会

先日,日本女子大学で行われた
日本スクール・コンプライアンス学会 定例研究会に
出席してきました。


この日は,まず判例報告として,
「部活動の事故と顧問教員の法的責任」をテーマに,
大阪高等裁判所平成27年1月22日判決
(判例時報2254号27頁)の研究発表がありました。


事案は,平成19年5月,テニスの部活動をしていた
高校2年生の生徒が,午後3時ころ練習中に突然倒れ,
救急車で搬送され,治療を受けたが
重度の障害が残ることとなたものです。

生徒と親権者らは,重度の障害が残ったことは
高校の部顧問教員や校長の義務違反によるものである等主張して
損害賠償請求を求め,提訴しました。


一審では,請求はいずれも棄却されましたが,
高裁では,100%認める逆転判決がでました。

協議の中では,
・平成19年ころの,しかも5月という時点での熱中症対策が
教員に期待できたのか,厳しい判断ではないか。

・判決がいうように,生徒の真面目な性格を踏まえた上で
細かく練習メニューを指示をするのなら,
やはり休憩についても適切に指示しとくべきだったのではないか。

・部活動が「自主的,自発的な参加」を重視しているのであれば,
休憩までも細かく指示する必要はなかったのでは。
また,過失相殺があっても良かったのでは。

などの意見が出ました。


また,学校現場では「熱中症指数」が
利用されていることを知りました。
そして,テスト明け1発目の部活動については,
メニューを軽減する等して

生徒たちへの体調への配慮が必要だという
ことを確認しました。




次に,自由研究発表として,
「学校教育法施行規則26条3項2号3号は懲戒退学の事由か
-取消訴訟のリスクと対応策教えます-」をテーマに,

懲戒退学の根拠条文に関する研究発表がありました。

大学院生の研究論文だけあって,調査が厚く感心しました。

法解釈におけるオリジナリズム/ノン・オリジナリズム,
それぞれの立場からの論理的思考を踏まえて,
上記の学校教育法施行規則に基づく懲戒退学が
有効なのか,無効なのか,

論に説得力を持たせるにはどのあたりを詰める必要があるか,等

大学教授の指摘なども入り,議論として興味深いものでした。

懇親会の場も盛り上がりました。
私は,最近の大阪弁護士会子どもの権利委員会の動きとして,
教員との勉強会を予定していることや,
いじめ防止対策推進法を踏まえて,
現場の先生方がやっておくべきこと等についてまとめた
書籍の出版を予定していること
等を紹介しておきました。




日本スクール・コンプライアンス学会は,関東地区で,
学校問題をめぐる弁護士の関わり方をどう進めているのか,
等を知ることができる貴重な機会となっています。

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