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2014年6月

『無罪請負人 刑事弁護とは何か?』

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かの有名な弁護士弘中惇一郎氏の著書です。

 
高飛車と思われかねない本の題名に,
「いったいぜんたいどんなことが書かれているのだろうか。」と,
興味本位で読み始めた本でした。

 


読み始めるとすぐに,弘中さん自身は「無罪請負人」なんていう
気持ちはさらさらなくて,
「そんなふうに呼ばれることに強い抵抗を感じてきた。」と
述べています。

 

 本の目次だけみても,弘中さんがやってきた
そうそうたる事件にため息がでそうになります。

 ≪目次≫
序章 刑事弁護という仕事
第1章 無罪判決まで―郵便不正事件
第2章 国策捜査の罠―小沢一郎と鈴木宗男
第3章 メディアとの攻防―薬害エイズ事件とロス疑惑事件
第4章 弁護士が権力と手を結ぶとき
第5章 刑事司法の現実

 

『無罪請負人』を読めば,これらのビック事件への理解が深まります。
そして,私が,ニュースを通じて知っていた内容とか,
事件及び当事者の印象とかは,
弁護人の立場で弘中さんが把握している事実とは,
大きく解離していたことが理解できます。

 

弘中さんは,そういう誤解を生む「マスコミ主導の事件」
について,警鐘を鳴らしています。

 

このようなマスコミの偏向報道により,弁護人に対しては,
社会から指弾を受ける場合があることも分かります。

特に,依頼者だった人に対して,弁護士の職責としての
立場の違い,社会的意義の違いが理解されず。
「なんでそんな人を弁護するのか。」という声は堪えます。


たとえば,そのまま本から引用しますが,
「クロロキン弁護団の一員が薬害エイズの加害者側の人間を
弁護するのは,同じ薬害被害者として容認できない。」
という声があったそうです。

弘中さんは,「加害者側の人間」とされていた医師の
冤罪を主張し,事実に反する誤った歴史認識は
薬害撲滅の精神に反すると反論したが,
納得は得られなかったとのことでした。

 

私にとっては,本を通して学ぶ弘中さんの弁護活動や
弁護士としての「在野精神」そのものが勉強になりました。

ストイックで細かい現地調査,関係者への聴き込み,
依頼者へとの信頼関係の構築,家族の支援,
検察官との対峙,弁護士としての戦う姿勢・・・


「現場に足を運ぶのは鉄則」だとし,
たとえば,ロス疑惑事件の三浦氏の弁護活動では,
何度もロサンゼルスに足をのばしたとありました。

・・・私は,こんな弁護活動ができるのは「大口顧客」だからだろうと
先入観を持っていましたが,本の終盤になると,
決して高額報酬でやっているわけではないことが分かりました。

ちなみに,弘中さんの仕事の最大のモチベーションは,
事件に対して「面白い」と思うかどうかにあるそうです。



弘中さんの刑事弁護活動を通じて,
検察庁という組織の体質や捜査方法についても,
やはり,問題の多さを実感しました。

そして,捜査機関がこんな取調方法をしているのだとしたら,
自分の刑事事件での尋問ではこういうことを聞いてみようか,
などを考える契機にもなりました。

 

弘中さんの弁護活動をリスペクトします。

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裁量的国選付添人対象範囲が拡大します!

裁量的国選付添人対象範囲が拡大します!

6月18日より,改正少年法が施行されます。
改正の主な内容は,
1 裁量的国選付添人対象範囲の拡大
2 検察官関与対象範囲の拡大
3 少年刑の見直し
です。

中でも,裁量的国選付添人対象が拡大したことは,
大きな改正といえます。
長期3年を超える懲役・禁錮の罪の事件,

つまり,被疑者国選対象事件と同一の範囲で,
裁量により,国選付添人が選任されます。

そのため,窃盗や傷害など,今後はかなりの範囲で,
国選付添人がつけられることになる見込みです。
・・・もっとも,「裁量により」の運用がどうなることやらと
気を揉んでいるのですが,
ぜひとも,被疑者国選と同等レベルでの
選任が実現してもらいたいと思っています。
それが実績を積んで,今後は,
現在のところ対象とはなっていない虞犯事件などについても,
国選付添人制度が実現すれば良いと願っています。

※国会での附帯決議について,
リンクはっておきます

国選付添人の選任において,少年の選任意思が,
どれくらい繁栄されるものなのかというのも,
私にとっては関心事です。

運用上の建前としては,少年の意思にかかわらず,
国選付添人の選任手続ができるようになっています。
少年への後見的立場から,裁判所は,
積極的に裁量で選任する姿勢を
もってもらいたいと思っています。

裁判所が,「裁量により」という部分を
積極的に運用することを前提とすると,
今回の改正により,弁護士である付添人が少年事件に
関わることは,現状よりもさらに多くなると思います。




私自身にも言えることですが,
少年事件に関わるどんな立場の人においても,
少年の
可塑性を軸として,その要保護性や,
年への処遇,教育方針を見立てるという姿勢は
変わらずに大切にしてもらいたいで
す。

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未成年後見人

本日は,大阪弁護士会ブログ「ほないこか~」の担当日でしたので,

 

『未成年後見人』について書いています。

 

記事はこちら 

 

先日,知人から「未成年後見人ってなに?」って
質問を受けましたので,この度,
未成年後見制度の説明を兼ねて記事にしました。

 

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