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2012年9月

「なぜ犯罪にはしってしまったのか」

先日は,セカンド・チャンス!大阪交流会に行ってきました。

その日の印象に残った話(の私なりの解釈)をご紹介。



「なぜ犯罪に走ってしまったのか。」

これを更生保護の世界で問い,明らかにしようということは,
それほど意義があるわけではない。

また,「なぜ犯罪をやめれたのか。」
これもまた,必ずしも意義ある答えが返ってくるものでもない。

犯罪から離脱しようとするとき,
そのきっかけというのは本当に千差万別である。

他人にも分かりやすい大きなきっかけがある人もいれば,
このままじゃあかんなー,という
ちっちゃなことの積み重ねの延長で,
なんというわけでもないけど,
あるタイミングでやらなくなったという人もいる。

また,たとえば,好きな人に好かれるためにがんばるとか。
「公」が処遇プログラムを準備していても,
それとは全然違うひょんなことで,
犯罪からの離脱のきっかけをつかむ人もいる。
もちろん,そのひょんなことがある以前に,
これじゃあかんなーという積み重ねがあるわけだけれども。とのこと。


私自身,何かと気を揉んでいる気になる子どもがいる。

立ち直りのために,と思って,
「なんでこんなことしたの。」という質問をする。
これを明らかにできれば,
次そんな状況に陥っても,対策を練ることができるから,
きっと,再犯しなくてすむはず!なんて思っていたのだけれども。

ただ,その質問に対する返答というのは,
「もー,自分でも悪い方向に行っていることは分かっていたんですけど,
そんときは,その事しか考えられなかった。」というのがたいがい。

こんな答えも,その時その子が抱えていた「重さ」を考えると,
概ね理解ができるものであることが,ほとんど。


そうすると,私自身が質問を変えるべきなのかもしれない。

どんなことをした時に犯罪をせずにすんだか。
うまくいった時,なにがあったか。
自分が輝いている,と思えることは何か。


次会った時には,違うことを聴いてみよう。

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DVシェルター

DVシェルターの施設運営者の話を聴く機会がありました。


シェルターの場所は誰にも案内されていません。
行政機関にも,警察にも,明かされていません。
シェルターは,窓口となる事務所等とも別に,
離れた場所に準備されています。

入所者の安全を守るための秘匿性の確保には,
相当な用心を重ねていることが分かりました。

反面,シェルターの意義を発信し,
支援を募っていくことも必要です。
また,入所者が社会と関わりを持つことは,
DV被害者の回復のためにも有用です。

もっと社会的資源と繋がりたいけれども,
匿名性が保たれなければならない。

その両方の側面を抱えながら,情報発信していくことは,
シェルターにとっても課題だと話をされていました。


DV防止法の保護命令の使い勝手の悪さも話をされていました。

※保護命令について 裁判所HPより引用
「被害者から書面による申立てを受けた地方裁判所が,

被害者が配偶者からの身体に対する暴力を受けた者
である場合にあっては
配偶者からの更なる身体に対する暴力により,

配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた者
である場合にあっては
配偶者から受ける身体に対する暴力により,

その生命又は身体に重大な危害を受ける
おそれが大きいと認めたとき,
当該配偶者に対して速やかに保護命令を発令するものです。」

引用元
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_minzi/minzi_05/index.html

上記の「配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた」という要件です。

「死ね」「殺す」だったら分かりやすいが,人によって,
本当に大きな精神的ダメージを受ける言葉というのがあります。
それを裁判所に分かってもらうのに一苦労との話がありました。

また,上記には,性虐待が外れます。
「配偶者」に当たらない人からのDVは外れます。

保護命令が出ると,行政の支援を受けることができ,
シェルターが利用し易くなります。

家庭内暴力の被害状況は変わらないのですから,
もっと保護の対象者の間口が
広がってもらいたい,という思いを話されていました。

なお,児童扶養手当法施行規則の一部改正があり
2012年8月から,保護命令をとれたら
児童扶養手当をもらえるという手続的ケアがされています。

私の印象では,DV被害者はシェルターに辿り着いたら
ひとまず安全だ,ということを思っていましたが,
そうではないという実情がわかりました。

DV被害者の方は,
やっとの思いでシェルターにたどりついた時にはへとへとです。
仕事や荷物等,手放さなければならないものも多いです。

でも,それから苦労の実態を聞きました。

シェルターの中では,経済的な支援もままならないまま,
出所に向けての準備を始めなければなりません。
住所はあかせない,住民票も昔のまま,という状況で
不動産屋と交渉していかなければならない等,
この一つをとっても大変です。
離婚調停,裁判も同時にやっていたりします。

シェルターから出てからも,苦しみは続いています。
職場で同僚が怒られているのを聞いてフラッシュバックしたり,
うつ,依存症,死にたいといつも思ってしまったり。

生々しい話に,聞いていて胸が痛みました。


最後に,もっと加害者が罰せられて
しかるべきであることに話が及びました。


DV被害者が,被害者としての権利を行使しにくい状況があります。
自分は被害に遭っているが,子どもにとっては父親。
父親を加害者として呼び,刑罰を受けさせることは出来ないと,
被害届を出したり,告訴することは躊躇する人が多い。

それで加害者は,自分のやったことの重さを自覚せずに暮らしている,
このDVの状況について,社会がもっと関心を持ち,
社会がそれを許さない,という意識が
もっと必要だ
と話をされていました。

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