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2012年5月

『いじめはなぜ防げないのかー「葬式ごっこ」から21年―』

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先日の講演に向けて読んだ本です。

何よりも表紙が衝撃です。
この表紙の色紙は,「葬式ごっこ」の際に,
B君の机の上に置かれていたものです。

「Bくんへ さようなら 2年A組その他一同より」と
真ん中に書かれた色紙もおかれ,
その周りには,クラスの人たちが署名や,
「さようなら」「バンザーイ」などのメッセージを書いていました。
教師4人もメッセージを書いていました。

深刻ないじめも最初は悪ふざけから始まることがわかります。

・Bくんは,中学校2年生でした。
・Bくんは,いつも友達のカバンをもって登下校していました。
・Bくんは,よく友達のパシリをさせられていました。
周りの子は,「ついでに俺のジュースも買ってきて~」
とか頼んでいました。

この状況で,Bくんはいじめられている,と気付くことができますか。

・Bくんは,ある時,口の周りにフェルトペンで
ひげを書かれて廊下で踊っており,その周辺にはクラスの子がいました。
・またある時には,Bくんは,気に登らされて歌を歌っており,
その周辺にはクラスの子がいました。
Bくんはへらへら笑っていました。

Bくんへのいじめは徐々にエスカレートしていきます。
・ある日,誰かが校舎のわきに落ちていた夏ミカンの身を拾ってきました。
「これお供えにしようか。」と言ったのが発端となって,
「ねえ,Bくんが死んだことにしちゃおうよ。」
「おもしろいじゃん。」というやりとりがあり,
Bくんの『葬式ごっこ』が行われることになったのです。

・黒板の前にB君の机が置かれ,B君の写真とともに,
牛乳瓶に挿した花や線香が供えられました。
そして,Bくんへの色紙が作成されました。

当日,B君は遅れて教室に入ってきました。
B君は,机の上を見てへらーっと笑って,
「なんだよ,これ~」と言いながら色紙を眺め,
「おれ死んじゃったのかよ……」とつぶやいたそうです。
・B君は,友人の一人に,
「てめえ,なんだよ,こんなこと書いてんじゃねえか。」と言いました。
顔は笑いながらでしたが,涙をぽろぽろこぼしていました。

・その後もいじめはつづき,この葬式ごっこから2か月後,
B君は遠く離れた地で,
デパートのトイレで首をつって自殺しているのが発見されました。
・トイレの中には,紙袋の端を破った紙に
走り書きされたメッセージが残されていました。

「突然姿を消して申し訳ありません。俺だってまだ死にたくない。
だけどこのままじゃ「生きジゴク」になっちゃうよ。
ただ,俺が死んだからって他のヤツが
犠牲になったんじゃ意味ないじゃないか。
だから,もう君達も馬鹿な事をするのはやめてくれ,最後のお願いだ。」

これが,1986年に起きた
「葬式ごっこ事件」(中野富士見中学校いじめ自殺事件)です。


講演では,事件を紹介しながら,
聴衆者の方にもご意見をいただきました。

「いじめられる側にも原因がある。」
これは,いじめる側の言い訳でしかありません。
いじめは,人を死に追いやる可能性もある危険な行為です。
いじめること以外に,絶対により良い解決方法があります。

本を読むと,いじめが発生する異常な空気が分かります。
そして,子どもたちが友人関係に非常に気を使っていて,
いかにしんどい環境で,
「人とのつながり」にとらわれているのか,も読み解けます。

一読オススメの本です。

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5/18 憲法週刊記念の集い「いじめ問題・子どもの人権」

5月18日,14:00~

守口市市民会館(さつきホールもりぐち)にて,

憲法週間記念市民講座開催の講師をします。

テーマは,「いじめの問題・子どもの人権」です。

守口市の広報はこちら(PDF)

http://www.city.moriguchi.osaka.jp/contents/kouhou/pdf/p06.pdf

大阪弁護士会の案内はこちら

http://www.osakaben.or.jp/web/event/2012/120510.php

時間のある方は,ぜひ来場いただき,
加藤にプレッシャーをかけてください(笑)

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神戸連続児童殺傷事件 あれから15年

今年で神戸連続児童殺傷事件が発生して15年目になります。

この事件は,私が弁護士を目指すきっかけとなったものです。
平成9年・私が高校2年生の時です。
目を覆うような事件の内容に,
どうして中学2年生がこんなことが出来るのか,と
不思議に思ったのが,少年事件に興味をもった始まりでした。

今は,少年が事件を起こすのは,
本人の力の及ばないことが多くて,
本人ばかりは責められないなという気持ちがあります。
それが自分の活動の原動力になっています。

教えていただいた記事なのですが,
神戸新聞が、毎年3月、5月には
必ずこの事件に関する記事を出しているそうです。

事件発生以後、被害者父母の手記が寄せられることが続いて
いましたが、今年は被害者自身の手記が掲載されました。

「更生しましたか」被害女性が手記 連続児童殺傷
平成24年5月14日 神戸新聞朝刊

http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0005052504.shtml

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CVV拡大会議

今日は,子どもの権利委員会の先輩に声をかけてもらい,
「CVV拡大会議」に出席してきました。

「CVVとは,
Children's施設にいる子どもたちの
Views視点からものを見て
Voices(施設での生活をよりよいものにするために)発言していく
という意味でつけられました。
現在、児童養護施設で生活している中高生や、
そこを退所した若者たちの居場所活動を行っています。

来てくれた人たちが
安心でき、人とのつながりを実感しエンパワメントされる居場所
であることを大切にしています。」

CVVのブログはこちら↓

http://ameblo.jp/cvv/

CVVのイメージをなんとなくつかんだのは,
新井知恵さんの講演を聴いてから。
その時の記事はこちら↓

http://katokei.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-2200.html

当事者団体である,という点では,
セカンド・チャンス!と共通しています。

民間ボランティアであるという点では,
豊中BBSとも共通しています。

民間ボランティアの難しさ,かつ,面白さは,
それぞれ個人の活動の原動力が,
究極的には自己実現にあるというところ。

賃金⇔労務の提供,という対価関係が成立しておらず,
指揮命令権のないところですので,
活動を維持していくことについても工夫が必要になってきます。

CVVの活動で「なるほど!」と思ったのは,
活動の中心的な担当者が,みんなの前で
「自分のエネルギーがどこまで持つかが心配。」
と宣言していたこと。

この宣言を受けて,
「それなら,どんなフォローがあると活動しやすい?」
という質問があり,その答えは,
「~さんが,夜中でも愚痴聞いてくれて助かったから,
それがあれば嬉しい。」というものだった。
というかんじで違いに自分のできる部分を補い合っていく関係が
構築されていく。

活動の社会的意義,必要性は感じていても,
実際に動けない状況であることもある。
その時は,変に肩に力を入れすぎず,フォローする。
場合によっては,1年お休みでも良い。

これが,今日のCVV会議をみながら,
改めてそれでいいんだーって思えた部分。
BBSにも持って帰りたいところがいろいろありました。

やはり行って良かったと思いました。

それにしても日が長くなりましたねー。
今年は,急に寒くなったり急に暖かくなったり,
例年と違った寒暖の動きをみせていますが,
西日の長さの移り行きは毎年変わりようがないところですね。

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子どもの日記念無料相談 無事終了!

今日の2012年どもの日記念無料相談も無事終了しました。
来年もこの時期にあるのでよろしくお願いいたします。

また,大阪弁護士会では,
子どもの相談を無料で受けている相談窓口があります。
(通話料はかかります)

「子どもの人権110番」06-6364-6251
毎週 水曜日 午後3時~5時
夜間 月1回 第2木曜日 午後6時~8時

不登校、いじめ、体罰、児童虐待
その他子どもの問題に関すること

大人の方からだけでなく,
子どもさん直接のお電話も待っています。
今後はこちらもご利用ください!

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裁判員裁判

私は先日,裁判員裁判を経験した。

私が裁判員裁判を語ろうとしたら,
最初に出てくる一言は,
「裁判員裁判は,『生き物』である。」というものだ。

裁判員と裁判官が下した量刑,

無機質なはずの量刑の数字に,
ものすごく,熟議を重ねた痕が伝わってきた。

裁判員裁判は,社会の縮図だと言った方がいた。

裁判官では決して出ないであろう,
質問が飛ぶし,質問にもならない感想もとぶ。

そして,裁判員裁判で下される事実認定というものは,
やはり世間の人の目なのだということも感じた。

発見があったのは,一般の人でも,
供述の変遷があると,それは変だよね,
というアンテナに引っかかる,ということであった。

この5月で,3年目を迎えた裁判員裁判。
やはり,国民の方々に刑事司法を理解してもらうのには,
格好の方法だと感じた。
見直しながらも,育てていくべき制度だと思う。

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「施設内処遇と、社会内処遇」

何度か紹介させてもらっている高坂朝人さんのブログ記事が,
とても有意義だったので,紹介します。
高坂さんが講演を行った「施設内処遇と、社会内処遇」
について,記事をまとめています。

施設内処遇では少年院教育の、良き点と、改善すべき点。
社会内処遇では、BBS活動についてのやりがいや、
少年にとって「ともだち」の重要性。

というのが主な内容です。

少年院内の実態,メリットとデメリットが紹介されていて,
とても参考になりますので,ぜひ。

リンクはこちら
http://ameblo.jp/asatotakasaka/entry-11239848079.html

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5/12 子どもの日記念無料相談

今年も,子どもの日無料相談会があります。

この相談会では、大阪府臨床心理士会の後援を得て、
子どもの人権問題に取り組む弁護士と
心の問題に取り組む臨床心理士が
ペアになって相談にあたります。

このペアでの相談,というのが非常にミソです!
お気軽にお電話ください~。

日 時:平成24年5月12日(土)午前10時~午後4時30分
相談内容:不登校、いじめ、体罰、児童虐待,
       
その他子どもに関する相談

①電話相談(予約不要)電話:06-6364-6251
②面談相談(要予約:06-6364-1227 平日9時~17時)
場所:大阪弁護士会館(裏面地図参照)
※相談は無料です。
※秘密厳守ですので相談内容が外部に漏れることはありません。
※面談相談ご希望の方は、下記問合せ先までご連絡ください。
問合せ・面談相談予約
大阪弁護士会子どもの権利委員会担当事務局
TEL:06-6364-1227 FAX:06-6364-7477

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