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2011年3月

東日本大震災

本当に,震災の爪痕の凄惨さには,
言葉がみつかりません。
自分がどんなに贅沢な世界にいるのか,
という気持ちになります。

私がここで「お悔やみ申し上げます」と言うことも憚られるほど,
震災に遭われた方の心労と忍耐とは,並々ならぬものがあると思います。

修習で東日本に行った友人も多かったので,
心配していたのですが,連絡がとれたので,
ひとまず安心しています。

その友人が案内してくれた
「元気がもらえるサイト」をここでも紹介したいと思います。

http://prayforjapan.jp/tweet.html

人間の強さも同時に感じます。
日本人ってまじすごい。

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②少年院でのセカンド・チャンス!メンバーの講演

3月6日の続き


2 少年院で行われる「セカンド・チャンス!」代表の津富さんと
セカンド・チャンス!の当事者メンバーであり,
かつBBS会員である高坂朝人さんの講演を聴く。


3 話を聞いての少年の反応を見る,少年院の視察

の巻である。




この日,短期・初等少年院で高坂さんの話を聞いたのは,
少年23人。
他職員の方,他の少年院の法務教官の方,BBS会員である。



高坂さんは,1時間強に渡って,
自分の生い立ちから,非行に走った話,
少年院に入ってから考えていたこと,

出てから立ち直りの1度目のチャンスを自ら逃したという話,
親の話,守る家族が出来て,
暴力団とは縁を切ると決意した話。

それから本当に大変な苦労をしたこと,
暴力団から抜けることがいかに熾烈なものか。

そして,真面目に生きている人のすごさ,かっこよさに気付いた話。



包み隠さず,誇張せず,等身大の話だった。

経験に裏付けられた話のエネルギーは凄い。
少年たちは,身を乗り出し,生唾を飲みながら
話を聞いているように見えた。


高坂さんは,少年たちに,
BBS会,非行少年の親たちの会,
セカンド・チャンス!を紹介した。



質疑応答には,少年自身の問題意識が反映される。
「暴力団と手を切るのはどうするのが一番いいのか。」

「出てから何が一番苦しかったか。」

「どういう風に,家族と接したらいいか。」


法務教官の先生からも質問が飛んだ。
「少年院での生活で良かったことは何か。」



その後,津富さんからセカンド・チャンス!の話があり,
津富さんによるワークショップがあった。


少年たちに椅子を向き合わせて2人組になり,
「高坂さんの話を聞いて,
感じたこと,思ったこと,印象に残ったこと」
について話し手と聴き手に役割分担をして語り合わせた。


次に,少年たちを,法務教官の先生,BBS会員を含めた
6~7人のチームに分けて,大きな紙に
「高坂さんの話を聞いて,
感じたこと,思ったこと,印象に残ったこと」
について,自由に書かせた。

「暴力団はかっこいいと思っていた。」

「暴力団には関わってはいけないと思った。」


このワークショップの中で感服したのは,
法務教官の先生の「聴く」姿勢である。

「おまえたちも,出院したら,
出院祝いみたいなことしそうな人がいるのか?」
この質問を投げかけると,全員「いる。」という答えだった。


法務教官の先生は,
「今日の話思ってどう感じたか?
それはなぜか?どこがそうだったのか?」
と考えを深めさせる。

筆が止まっている少年に対しては,代筆して,
その子の意見が反映された紙になるように
作業をすすめていく。

まさに,プロのなせる業を垣間見た。




ところで,その紙の中に
「BBS会員になりたい!どうすればなれるの?」
と書いた院生がいたことには感激した!

「非行する子に対し,話をする立場じゃなくて,
話を聴く立場をしたい。
BBSって,まさに俺がしたいて思っていたことだ!
でも保護観察中もできるんですか?」

いろんなことを質問してきた。

BBS会のあらかたの説明をすると,
少年は保護司に手紙を書いてみよう!と言っていた。




その後,一人一人にA4の紙を渡され,
一言感想を書く。
全員参加の円を作り,
少年達が言葉を発表していく。

ぶっきらぼうに答える子でも,
本当はいろんなことを感じていることは,
既にワークショップを通じて分かる。

私は,心からの大きな拍手を送った。



津富さんは,少年たちに,
自分が感じたことをどんどん言葉にさせた。

「自分が感じた気持ちがあると思う。
それを言葉にして話す大切さ。
言葉の力を感じて欲しい。」
そういう言葉でワークショップは幕を閉じた。

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山陰地方のBBS会との交流会

3月6日は,豊中BBS会の会長と,
始発で鳥取まで行ってきた。

目的は,

1 山陰地区のBBS会員や名古屋BBSの高坂さんとの交流
豊中地区へのヒントをもらう

2 少年院で行われる「セカンド・チャンス!」代表の津富さんと
セカンド・チャンス!の当事者メンバーであり,
かつBBS会員である高坂朝人さんの講演を聴く。

3 話を聞いての少年の反応を見る,少年院の視察

である。

※高坂朝人さんのブログはこちら。
「高坂朝人のブログ
http://ameblo.jp/asatotakasaka/
非行少年とのやんちゃな絡みの話があったり,
非行少年を持つ親へのメールがあったりと,
ほぼ毎日更新されている
私は当ブログの大ファンである。



まず,1 BBS交流について。

この日集まったのは10人。
少年院の家庭寮(宿泊面会に使われている場所)で,
意見交換会をした。
地区ごとの活動内容,メンバー構成等を聞いた。

山陰地方のBBS会では,多くの他の地区会と同じように,
ともだち活動は一桁。
会員はいても,ともだち活動がないのが悩み,
関係機関とのコンタクトが難しいというのが現状,とのことだった。
そんな中でも,教育委員会とのコネクションを作り,中学校への
アピールをしているということだった。



名古屋の方の話はすごかった。
会員20名に対してともだち活動は20件以上。
地区会を超えた相談が入り,対応している。
今後NPO法人化する予定ということだった。


話を聞くと,ほんの2年前までは,
会員数5人で活動がなかったということである。

そこからの立ち上げで,まずは,少年院に電話して売り込んだ。
そして,BBS会員が活動できる継続的な活動として,
少年院の意見発表会へ月1度行くことを取り付けたという。


また,保護観察官に会員それぞれの顔を覚えてもらい,
非行少年の親の会へ足を運び,
直接ともだち活動が舞い込むような仕組みを作った。

少年たちを自分が働いていた福祉施設に連れて行って
ボランティア活動をさせたりもしている。


高坂さんは
法制度を見据えつつの活動をしている。
保護観察期間の遵守事項に
社会貢献活動が入る見込みだから,
その引率者としての受け皿になれるのはBBSではないか,と提言する。


活動資金についてもシビアに考えていた。
こうすれば補助金が下りる,こうすると国の予算がつくことになる,など
本当によく知っていた。色々と教えてもらった。


BBS活動の社会的意義について確信をもち,
必要性に突き動かされている,
やるべきことが明確に見えていて,
それに賛同するフォロワーがいる。

「もしこの活動を引き受けて,受け皿になる人材がいるか」
という心配をしていない。

学生が授業に行くよりも意義があること,と言って,
教授に説明して講義を休み,
ボランティアに参加しているということだった。



私たち,豊中BBS会にたくさんのヒントをもらった。

豊中地区は今,BBSの活動が,
それぞれのメンバーにとって,
個人的にどんな意義があるのかを見つめ直し,
BBS活動の意義について共通認識をもって,
組織としての基礎体力つくりに取り組んでいる最中である。



今日は,会員の募集方法についても話題に出た。

BBS会は,唯一,社会内で一般人が保護観察中の
非行少年に触れ合えることができ,
ふつうの市民として立ち直りを支援する民間団体である。

そこはぶれのない形で世の中にアピールしていきたい。

他地区の具体的な活動を聞いて,
こちらもがんばろう!という力をもらった。

続く。

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裁判員裁判のための対人援助専門職 ネットワーク

今日は,大阪弁護士会館で開催された
「第3回 裁判員裁判のための
 対人援助専門職ネットワークの集い」に参加した。


※対人援助専門職ネットワークとは
裁判員裁判の中で,
『裁判員は,「被告人の人となり」「被告人の更生」について
強く関心を持っているという点が挙げられます。
しかし、法律家だけでは、裁判員が知りたい被告人の背景や心理を
十分には解明できません。
よりよい裁判のためには、対人援助専門職
(心理学・教育学・社会学・福祉学などを学んだ人)が必要な調査をし、
その結果を裁判にいかすことができるシステムを作ることが必要です。
このような目的で2009年9月に本ネットワークが結成され,
既に2回の意見交換会が行われ,有意義な意見交換がなされています。』



今日参加していたのは,弁護士,元保護監察官,
臨床心理士,家庭裁判所調査官等。
東北から九州まで,全国から30名ほどが集まっていた。



本日は,逆送事件の裁判員裁判を担当した弁護人から,
事例発表があった。

付添人として,弁護人として,
少年の資質を見極めながらどんな戦略をとったか,
成年と比して少年特有の問題にどう対応したかなど,
生の話をきくことができた。

付添人段階や公判前整理手続段階,
裁判員選任段階,公判段階
それぞれのタイミングで,
どの機関に対してどのような働きかけが必要・有効か,
具体的に聞くことができて,非常に有意義だった。





そして,鑑定人に選任され,公判でプレゼンしたことがある
学者・医者の方の話を聞くことができた。

裁判員裁判においては,複雑な少年の資質,生活史をふまえ,
それがどのように重大な事件につながっているのか
「目で見て耳で聞いて理解する」ことができる説明を求められる。
タイトな時間的制約があり,
プレゼンにも慣れていない医者の方が多い中で,
法廷に立って一般人である裁判員に説明することについての
苦労話を聞くことができた。




フリートーキングの場では,
鑑別技官・家裁調査官が,
原則逆送事件においてどのような調査をして,
どの程度報告するのか,
そのことが逆送後の審理にどのような影響を及ぼすのか,
ということを聞くことが出来た。


公判廷でいかに少年の不遇な環境を力説しても,
「事案の重大性」でひっくりかえされてしまう,
昨今の裁判員裁判による判決を踏まえ,
そこをいかに工夫していくか,真剣な議論がされた。



やはり,我々は,
「なぜ少年というだけで,成人の場合に比して
軽い処分で済むのか。」という強者の理論に対して
説明する言葉を持たなければならない。

少年法の理念に基づく裁判に対する肯定的な雰囲気が,
世論として形成されることが求められ,
そのための働きかけが必要であるという
ところで時間が尽きた。




弁護人は,このような対人援助専門職の方々の
思いを受けて法廷に立つのだ,という期待と責任を感じた。

本日,もし自分が少年事件の裁判員裁判の弁護人になったときに
これはやろうと決意したこと,
そして,今後少年事件の裁判員裁判を
担当する弁護人にもやっていただきたいことは以下の2つ 



1 家裁送致段階で,調査官に働きかけて,
 逆送を止めることに善処すること

  →逆送が見込まれる調査官の意見書は,
  「原則逆送」をひっくりかえす特段の事情が中心の記載に
  とどまっているので(調査をしても控え目に書いているようだった)
  その段階でしっかりとしたはたらきかけをすること。


2 公判前整理手続段階で,裁判官に対して,
 裁判員裁判法39条1項に基づき,
 現在配布されている,刑事裁判のルールに関する説明書に加えて,
 少年法1条の目的規定と
 55条移送の考え方に関する説明を記載した書面を
 配布することを求めること。

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「子ども・子育て新システム」シンポジウム

今日は,大阪弁護士会で開催されたシンポジウム
「ちょっと待った!子ども・子育て新システム
~子どもの生存・発達する権利を保障し、
子どもの最善の利益を確保するために~」に行ってきた。



このシンポジウムに行っての率直な感想が,
「保育園が大変なことになろうとしている!」である。

案内PDF
http://www.osakaben.or.jp/web/event/2011/110301.pdf

私なりの理解で端的に説明する。

現在,保育園は,市町村の責務の下,
現物出資の形で福祉サービスを提供している。
だから,基本的には保育園児が同じ時間に登園し,
集団生活をし,同じように給食を食べ,
運動会,お遊戯会の練習をするということが可能になっている。
保育園の費用は保護者の前年度の収入によって決まる。


これを,現在の介護サービスと同じように,
補助金の個人給付の形にしてしまうというのが新サービスである。

すなわち,保育園の選択は保護者の役割。
役所がするのは,働く母親の勤務時間に応じた
「保育時間の認定」である。
この保育時間分について,
「こども園」での保育サービスを受けることができ
利用料の半額分の補助金が出るという仕組みだ。

そうすると,子どもによって保育園にいる時間が異なってくる。
オプションサービス(給食代,教育代など)は別途料金だ。
「子ども園」を探し,個別に契約するのは,保護者の役割である。



規制緩和の名の下に,
乳幼児の年齢毎に決められた,保育士一人当たりの幼児数が撤廃される。
子どもの目が届く数の保育士が確保された環境が確保されるのかは,
自分の払う費用次第で,「詰め込み管理」も懸念される。



待機児童の解消のために練られたのがこの方策だとしたら,
これはナンセンスだと感じた。

少子化対策に弊害がでるように思う。

保育料が高すぎるので,預けてまで働くことは割にあわない。
かといって,費用の安いところは預けるのが心配。
っと,働くお母さんの気持ちを削ぐ。
お母さんは,こんな堂々巡りで結局働くことを諦める。
次の子どもを産むことを諦める。



身近な友人・知人・先輩方も多くが「働くお母さん」である。
そのお母さん方に,この改悪はお知らせしなければ!っと
こちらで紹介した。
現在審議中の法案なので,今後も関心をもって追いかけたい。


会場で驚いたのは,
多数の保育士の先生方が来ていたことだ。
現場が一番危機感を持っているということが伝わってきた。


ところで,保育士の先生の中に
塗り絵の用意をしてしたり,
せっせと「内職」しながらシンポジウムを聞いていた方がいた。
ちなみに弁護士の研修でもよく見られる「内職」の光景だ。

みんな,それぞれの職域で,
「働いている!」「生きている!」というのが感じられて,
なんか力が湧いた瞬間だった。

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