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2010年12月

大阪ダルク視察

先日,大阪ダルクのミーティングの見学に行ってきた。

念のため説明すると,「ダルク(DARC)」とは・・・
『ドラッグ(DRUG=薬物)のD、
アディクション(ADDICTION=嗜癖、病的依存)のA、
リハビリテーション(Rihabilitation=回復)のR、
センター(CENTER=施設、建物)のCを組み合わせた造語で、
覚醒剤、有機溶剤(シンナー等)、市販薬、その他の薬物から
開放されるためのプログラムを持つ民間の薬物依存症リハビリ施設です。
 入寮し、同じ悩み(病気)を持つ仲間とフェローシップの中で
回復するために、場所の提供をし、
12ステップによる今までとは違う生き方をする練習の場でもあります。
・・・
 スッタフは全員が薬物依存者です。新しい入寮者は仲間です。
薬物依存者同士、病気の分かち合いをしながら
回復、成長し使わない生き方の実践をしていきましょう。』
「全国ダルク 
http://www.yakkaren.com/zenkoku.html より引用」

私が,大阪ダルクを見学したかった最大の理由は,
スタッフを含めて全員が薬物依存者で運営されており,
かつ効果を上げているという点である。

ダルクにかかわった薬物依存者で
回復し続けることができる人の割合は,
30%と言われている。
決してこの数値を低いと見ることはできない。

刑務所で,薬物依存者に特化したプログラムを
毎日提供するということは不可能であり,
時々提供されているプログラムでも,
十分な効果を上げているといえるかは疑問である。
そのため,薬物依存者は出所してしまうと,
やはりまた薬物に手を出してしまう。
すなわち,刑務所から出て自然と薬と手を切ることができる人は,
ほぼ0%ということができる。

刑務所は,問題性を認識しているが,
自力ではどうすることもできないというのが実態である。
そこで現在,刑務所も,ダルクとの連携を取り始めている。
出所後の薬物依存者がダルクにたどり着くことができるよう,
刑務所でダルクのスタッフに講演をしてもらったり,
自らの体験を語ってもらったりする場を受刑者に提供している。

非行少年の更生においても,犯罪を行い,少年院に入って,
また地域に戻り,更生を成し遂げたという人たちが中心となって
お互いに支え合っていく場があることで,
再犯を防ぐ活路が開けるのではないか。
そんな期待があって見学をお願いした。

(実際に,少年院出院者によって組織される
「セカンドチャンス」という全国ネットワークがある。
ただ,ダルクほどの認知度を得るにはいたっていない。
「セカンドチャンス」については,また別に機会に触れたいと思う。

HPよりプロフィール 引用
http://secondchance1.blog37.fc2.com/ 
『少年院出院者による少年院出院者へのサポートグループ
セカンドチャンス!は少年院出院者が
出院後の社会復帰の支えになれるよう
お互い助け合える居場所をつくるための活動を行っています。』)

さて,大阪ダルクでは,
日曜日を除いて毎日2回,午前と午後に1時間のミーティングが行われている。
それ以外の時間は,昼食をみんなで作って食べ,
掃除,運動,作業などをして日中を過ごす。
そして,19時からのNAミーティングに参加する(場所は移動する)。

ダルクプログラミングの最大の目的は,
NAミーティングに参加することを習慣化することである。

NA(ナルコティクス・アノニマス)ミーティングは、
薬をやめて新しい人生をスタートした回復中の薬物依存者が、
自分の経験を伝える場所である。
基本的に“言いっぱなし”の“聴きっぱなし”のスタイルで行い、
非難や批判をされることはない。
また、その場で話されたことは、
他の場所で話題にすることはお互いにせず、個人の秘密は守られる。
上記の12のステップは,このNAのプログラムである。

ダルクの入所者は,まだ薬物を止めて日が浅く,
NAに対するハードルを感じている人もいるので,
ミーティングが練習の場という意味合いを持っている。

私はその日,スタッフの方からおおまかな説明を受けた後,
ミーティングに出席させてもらった。

その日ミーティングに参加していたのは,
20名強である(いつもより若干少ないとのこと)。

ミーティングでは,最初に冊子の朗読があって,
その後,本日のテーマに沿ってみずからの体験を話す場へと移る。

本日のテーマは「感謝」。
最初は話がしたい人が行い,
間があけば指名を受けた人が思い思いに言葉をつなぐ。
語り手は,最初にみずからを「アディクトの○○です。」と紹介する。
自らの体験を,できるだけありのまま,正直に話すことに主眼が置かれる。

そこには,出席者が語り手に注視し
しっかりと耳を傾けているというような,
そんな力んだ雰囲気はない。
どちらかというと,床に腰を下ろし,たばこをすいながら,
コーヒーを飲みながら,緩いかんじで行われている。
1時間はあっという間だった。

ミーティングが終わってからの私の感想はというと,
これで効果があるのか,と拍子抜けしたかんじだった。

だからこそ,逆に,
人・仲間とのつながりが力となっている
今日だけ,薬物をやめることの力となっていることを際立たせた。
ダルクの仲間がいることに,お互い感謝して,
仲間のつながりに意義を見いだしていることをそばで感じた。

スタッフの方が語る。

「薬物を止めることはできる。
刑務所に入っている間,実際に数年間止めている人がいる。
でも,それは諦めているだけ。
普通の生活をしながら,止めている状態をいかに続けられるか。」

数年単位で考えると気が遠くなりそうである。
せめて,今日一日,薬物を止めるということをみんなで誓って,
また次の日同じようにミーティングを行う。

また,スタッフの方が,
薬物を止めるためには,
目で見て,耳で聞いて,口で話すことが重要だと話をしていた。

クリーンタイムに入って数ヶ月,1年,数年,
自分より少し上の人が実際にいることを見て,
その人の体験談を直に聞いて,自分の思いを口にする。
これが,「自分もできるんだ」という力になる。
この体験を提供するのがNAの場となっている。
だから,NAの参加が重要なのだという。

そして,大阪ダルクの見学者で一番多いのは弁護士だと話をしていた。
弁護士は,公判手続の中でアクセスしてくることが多い。
被疑者・被告人が,保釈中ミーティングに参加して,
その参加証明を公判に提出したり,
ダルクあてに手紙を書いたりすることで,
弁護士とかかわることがあるという。

私は,スタッフの方々が,弁護士からのこのような申し出に対し
どこかで薬物依存者がダルクを知ってくれて,
ダルクとつながってくれたらいい,
これで100人中1人でも救われるのならばそれでいいという気持ちで
快く協力してくれていることを知っている。

ただ,本当のダルクの目的は,
参加者が薬物を使用せずに今日一日を乗り切ること,
薬物を止め続けることのサポートにあることを
どこか頭の隅に置いていて欲しいという言葉を心に刻んで帰って来た。

最後に,今回見学の機会を作ってくださったダルクの方々
ありがとうございました。

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仕事開始!

初めまして!弁護士の加藤慶子です。

・・・と名乗るのにまだまだ照れがあります。

今日から仕事開始です。

気持ちを心機一転する意味でも,

ブログ立ち上げました。

追々記事は書いていきます。

今後ともどうぞよろしくお願いいたいます!

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